バイオバンク・ネットワークは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)によるプロジェクト「ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム(ゲノム医療実現推進プラットフォーム・ゲノム研究プラットフォーム利活用システム)」を基盤に、日本の14のバイオバンク(令和6年4月現在)が参画しているネットワークです。
平成30年~令和4年度の研究開発事業により、多様な背景と設立過程があるバイオバンクが連携・協力して、それぞれが保管する試料・情報を一元的に扱うために、わが国の3大バイオバンクならびに、4の診療機関併設型バイオバンクを束ねる「バイオバンク・ネットワーク」を構築しました。
さらに、令和5年度以降も後継プロジェクトの「ゲノム医療実現推進のためのバイオバンク・ネットワーク構築とバイオバンク利活用促進に関する研究開発」 を通じて、ネットワークの更なる発展を図っています。
バイオバンク・ネットワークに参画するバイオバンク(令和6年5月現在)
「バイオバンク」とは、生物資源を研究用に収集、分譲する事業や施設を指し、ヒトに限らず、マウス、ブタ、イネ、細菌等の動植物や微生物を対象としたバイオバンクが設置されています。さらに、主として治療目的で収集されている組織バンク(骨髄バンク、アイバンク)も存在します。
このような多様なバイオバンクが存在するなかで、バイオバンク・ネットワークにおいて取り扱う「バイオバンク」は、将来の医学研究のために利用することを目的に患者さんや一般の方々から提供いただいた血液、手術・検査試料の一部と診療情報を管理・保存しています。主として、上述の3大バイオバンクを中心に「バイオバンク横断検索システム」で検索可能なヒト由来の試料・情報バイオバンクに限定しています。
バイオバンクの試料・情報の使い方を分かりやすく説明し、またバイオバンク運営者向けのノウハウ等もまとめた「バイオバンク利活用ハンドブック」を発行するなど、バイオバンクの利活用を促進するための多様な活動をしています。
バイオバンク利活用ハンドブックは、主にこれからバイオバンクの試料・情報を使いたいと考えている利用者の方々を対象に2020年3月に初版を発行し、その後改訂を重ねたものです。今回の第3版(2021年4月発行)で、バイオバンク運営者向けの第2部や、FAQ(よくある質問)、コラムなどを新たに追加して、より充実した内容としています。
本ハンドブックはAMEDゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム ゲノム研究プラットフォーム利活用システム 領域A 課題2 「倫理的・法的・社会的側面からみたバイオバンク資源利活用促進戦略」研究班(研究代表者: 吉田雅幸(東京科学大学))の研究成果です。ぜひバイオバンクの利活用や運営の参考にしてください。
バイオバンクの試料や情報を利用するにあたっては、MTA等の契約を締結します。この動画では、契約を締結する目的、契約の内容等について概説します。※本教材は、AMED 令和2年度 AMEDゲノム医療実現推進プラットフォーム事業ゲノム研究プラットフォーム利活用システム領域A課題2で作成したものです。
・バイオバンク運営者、利用者向けのバイオバンク・オープンフォーラムの開催
・バイオバンク・ネットワーク イノベーションディスカバリー フォーラムの開催
・日本製薬工業協会や日本臨床検査薬協会などの協力を得て、利用者ニーズの抽出
・相互を訪問するサイトビジットなど、相互理解を促進する活動・人材育成(バイオバンクの管理・運営)
見学会の様子
説明会の様子